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■ 現地研修
第1日目 出発
8月16日(火)
出発式/ロサンゼルスへ向けて
 出発に先立ち、中部国際空港セントレアにて出発式が行われました。代表生徒の挨拶では「事前研修で取り組んできたことを現地で活かし、たくさんのことを学んできます」という現地研修に向けた決意表明を行い、アメリカ・ロサンゼルスへ向けて出発しました。
 各学校の校長先生をはじめ、教育委員会の先生方、保護者の皆様、お見送りありがとうございました。
   
 セントレアを出発してから約13時間、成田国際空港を経由して無事にロサンゼルスに到着しました。16日の午後に名古屋を出発したので体の感覚は真夜中ですが、到着したロサンゼルスは同じ16日の午前11時40分です。時差というものを体で感じています。空港では現地旅行社の古川さんに出迎えていただきました。そして最初の視察場所であるロングビーチ港へ向かいました。
 マリーナには数多くのヨットやボートが泊められているロングビーチ港には、非常に大きなコンテナターミナルがあり、貨物取扱量は太平洋岸最大です。ロサンゼルス港と共に国際貿易の玄関口となっており、同じ港湾都市である名古屋と比較したり、共通点を考えたりしました。さらに開発が進められていることからも、重要な産業として位置付けられていることがわかります。

第2日目   
8月17日(水)
JETROロサンゼルス事務所/カリフォルニア・サイエンス・センター他
 日本貿易振興機構(通称JETRO)ロサンゼルス事務所を訪問しました。ここでは、海外におけるビジネスや、国際人としての心構えについて勉強させていただきました。日本の企業が海外でビジネスを行う上で、現地の文化やトレンドをいかに理解し、また利用するかが大切だというお話に、生徒たちは真剣にメモをとっていました。
 カリフォルニア・サイエンス・センターでは、科学に関する様々なことを学ぶことができました。特に、2011年に最後の飛行を終えて地球に帰ってきたスペースシャトル“エンデバー号”を実際に見ることができるなど、アメリカにおける宇宙産業の歴史や規模の大きさを肌で感じることができました。
 また、カリフォルニア・サイエンス・センターがあるエクスポジションパークには、ロサンゼルスオリンピックが行われたスタジアムで、今も現役で使用されている“ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム”があります。2020年の東京五輪を控え、二度の五輪開催を経験したロサンゼルスから私たちが学ぶことは多いのではないかと感じました。

第3日目   
8月18日(木)
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)/ゲティセンター/リトルエチオピア
 日本でもカリフォルニアにある名門大学としてして知られるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(通称UCLA)を訪問しました。東京ドーム36個分という広大な敷地に築かれた施設を見学しながら、現地の学生にキャンパス内を案内してもらいました。まるでひとつの町のようなスケールの大きさに、生徒たちは驚きを隠せません。このキャンパスツアーで、中学・高校での学びをさらに深め、専門性をより確実なものとするためのカリキュラムや、学部ごとに図書館が存在し専門性を高めていること、また卒業後の進路に関すること、そしてアメリカの大学生活がどのようなものかを知ることができました。
 ゲティセンター(美術館)での芸術鑑賞の後、リトルエチオピアへ向かいました。ロサンゼルスは人種のサラダボウルと言われ、140カ国以上の国々の人が90カ国語を話して暮らす多文化共生が浸透している街です。リトルトーキョー・チャイナタウン・コリアタウン・リトルアルメニア・タイタウンなど、各地に移民街があり、独自のコミュニティを形成しています。今回、私たちはリトルエチオピアを訪れ、その独特の雰囲気を感じながら、エチオピア料理のレストランで夕食をとりました。エチオピアで主食として食べられているクレープ状のインジェラは、少し酸味があり、複数のスパイスで炒めたピリッと酸味のある具を一緒に食べます。見た目と味とのギャップには驚きです。

第4日目   
8月19日(金)
ロサンゼルス市庁舎/全米日系人博物館/リトルトーキョー
 名古屋市とロサンゼルス市は両市にとって最初の姉妹都市であり、1959年から現在に至るまで様々な交流が行われてきました。今回、私たちは親善大使として姉妹都市友好の懸け橋となり、この海外派遣を未来につなげる新しい一歩にしたいという思いを胸にロサンゼルス市庁舎を訪問しました。名古屋市が1963年に寄贈した黄金の神輿が現在も保存・展示されており、姉妹都市としての交流の歴史を感じました。
 全米日系人博物館では、アメリカにおける日系人の歴史について学ぶことができました。特に、第二次大戦時の日系人強制収容や、その後の日系人に対する差別との闘いについて、生徒たちはメモをとりながら真剣にガイドの話を聞いていました。
 その後、この全米日系人博物館があるリトルトーキョーを視察しました。日本語の看板や、日本のものが売られているお店があり、少し懐かしさを覚えました。また、日本でも馴染みのある寿司チェーン店は、現地の人達で賑わっていました。前日に訪れたリトルエチオピアと同様、各地に根付いているリトルシティを視察することで、アメリカには多くの人種や民族がともに暮らしているということがよくわかりました。

第5日目   
8月20日(土)
グリフィスパーク/ハリウッドエリア
 ロサンゼルスは雄大な自然に囲まれています。5日目のこの日は乗馬体験を通してロサンゼルスの大自然を体感しました。生徒たちは皆初めての乗馬でかなり緊張していました。前半は上手に馬をコントロールできず苦戦していましたが、現地インストラクターの指導のおかげで、後半は落ち着いて周りの自然を感じながら馬を乗りこなしていました。ハリウッドサインを間近で見ることもできて、アメリカに来たことを改めて実感していたようです。
 午後からはハリウッドエリアを視察しました。世界的にも有名なこのエリアは観光客が多いこともあり、大変な賑わいを見せていました。映画産業が盛んなハリウッドならではの雰囲気に圧倒されました。

第6日目   
8月21日(日)
グランドセントラルマーケット/グリフィス天文台
 朝一番からバスを利用して、ダウンタウンエリアを視察しました。1917年のオープン以来、ロサンゼルスダウンタウンのシンボルとして多くの人に利用されているグランドセントラルマーケットへ行きました。約50店舗もの生鮮食料品や香辛料などのお店が所狭しと並んでいて、とても活気のある青空市場です。近代的なビルが立ち並ぶロサンゼルスで100年前にタイムスリップしたような気分になりました。
 グリフィス天文台では、現地ガイドから詳しく説明していただきながら館内を見学しました。入ってすぐの所に「フーコーの振り子」があり、生徒たちは「地球が自転していることを証明している」ことについて熱心に話を聞いていました。また、この天文台は、広大なグリフィス公園の中に位置し、市内が一望できる素晴らしい展望が有名とのことでした。見学を終えた私たちの眼下に広がっていたのは、まさに光の絨毯でした。

第7日目   
8月22日(月)
オーガスタス・F・ホーキンス高校/サンタモニカエリア
 オーガスタス・F・ホーキンス高校を訪問しました。現地の世話役の生徒とペアを組み、一緒に授業へ参加させていただきました。授業では、生徒たちの発言が多く、皆でコミュニケーションをとりながら授業が進められており、日本の授業スタイルとは大きく違うことに驚いていました。
【生徒レポートより】
 “授業中は生徒たちで話し合いをしながら協力して授業を進めることが多く、とても賑やかでした。授業中に寝ている生徒が全くいなかったことや、自分から発言をする生徒が多くいたという点は、日本の高校生の多くが学ぶべきことだと思いました。”

 授業後は、名古屋商業高校の生徒2名が、日本や名古屋、高校生活を紹介するプレゼンテーションを行いました。しっかりと準備していたので、自信をもって英語で発表できました。また、現地生徒から多くの質問が出され、靴を脱ぐ文化や名古屋メシについて答えるなど、しっかりと伝えることができました。
 夕方からは、サンタモニカエリアを視察し、夕食をとりました。ロサンゼルスを代表するビーチとして知られ、多くの人々が訪れていました。活気溢れるロサンゼルスの生活を肌で感じた一日となりました。

第8日目   
8月23日(火)
南カリフォルニア大学/ダヴィンチ高校
 アメリカ西海岸で最も古い私立大学である南カリフォルニア大学を訪問しました。頭文字をとってUSCと呼ばれている、全米でも知名度の高い人気校です。日本でも、安倍総理大臣が留学したことで知られています。ここでは、創立時に建てられた校舎を見学させていただきました。大学職員の方に学校の成り立ちについてお話を聞くことができました。音楽学校として始まった当初、学生は53人しかいなかったとのことで、小さな校舎からこのような大きな大学へ発展したことに驚いていました。
 午後は、ダヴィンチ高校を訪問しました。チャータースクールとして2009年に設立されたこの学校では、独自のカリキュラムを用いた先進的な取り組みを行っています。ダヴィンチ高校の生徒に校内を案内していただき、学校の雰囲気や授業の様子を見ることができました。他の学校と同様に、授業のスタイルが日本とは異なり、また、生徒たちが積極的に授業に参加している様子は、大きな刺激となったようです。
【生徒レポートより】
 “受け身の授業ではなく、自分自身の考えを主張する力がつく授業スタイルがアメリカの特徴だと思いました。自分から意見を言うことが普通だという雰囲気がとても良いと思いました。今後社会人になる上で、自分の考えを相手に伝える力は重要だと思うので、グループで活動する時は、たくさん発言しようと思います。”

 授業後には、北高校の生徒2名がプレゼンテーションを行い、日本や名古屋、高校生活について英語で紹介しました。ここでも多くの質問を受け、しっかりと英語で説明することができました。中でも、お風呂に入ってリラックスをするという習慣に驚いていました。

第9日目 第10日目   
8月24日(水)・25日(木)
帰国
 無事にセントレアに到着し、帰国式が行われました。教育委員会、校長会をはじめとして各学校の先生方、そして家族の皆様が出迎えに来てくださいました。
 代表生徒の挨拶では、「この10日間で得た数多くの貴重な経験を、今後に生かしていくことはもちろん、周りの人達に対してもしっかりと還元していきます。」といった力強い言葉と、これまでの感謝の気持ちを伝えました。